文書の最終更新日: 2025年9月5日
目次
新機能
プラットフォーム: Cyber Protect Cloud のソリューションベースのライセンスモデル
このリリースでは、中小規模のサービスプロバイダーのニーズに応え、ライセンスと請求書発行を簡単に管理できる新しいライセンスモデルが導入されました。
主な利点
- 高度なライセンスモデルを維持しつつ、シンプルなライセンスモデルを導入して、より細かい制御を実現
MSPの複雑さを軽減し、ワークロード単位およびギガバイト単位の別々のモデルを管理する必要がないシンプルなオプションを導入します。
高度なライセンスは、詳細なカスタマイズが必要な方のために引き続き利用可能で、現在はサービスベースのライセンスと呼ばれています。 - 管理が容易な事前構成済みソリューションパッケージ
このモデルには、最も需要の高い機能を組み合わせた「セキュリティとRMM」、「バックアップとDR」、「究極の保護」の3つの既製パッケージが含まれており、MSPは独自のカスタムバンドルを構築せずに、簡単に再販できます。バンドルは、Managed Detection and Response、セキュリティ意識トレーニングなどの追加機能で拡張できます。 - 明確なオンボーディングと有効化
ユーザーに使いやすいツール、トレーニング資料、スムーズなオンボーディングのための手順に沿ったガイダンスがMSPに提供されます。これにより、複雑な使用事例に必要な高度なライセンスを保持しながら、新しいモデルを迅速に導入できます。
サポートされるシナリオ
- 両方のライセンスモードを、パートナーテナントとフォルダテナントの両方で組み合わせることができます。
- カスタマーテナントごとに、複数の提供項目を持つライセンスモード(ソリューションベースまたはサービスベース)を 1 つだけ有効にできます。
- ライセンスモードを簡単に切り替えられ、使用履歴とバックアップデータを保持できます。影響を受ける保護計画は、シームレスに動作し続けます。
詳細については、パートナーポータルの「ライセンスガイド」をご確認ください。
バックアップ: Proxmox VE バージョン9のエージェントレスバックアップ
このリリースでは、Proxmox 仮想環境のバージョン9のエージェントレスバックアップがサポートされるようになりました。
主な利点
- 信頼性: エージェントレスバックアップソリューションは、アクロニスのデータ保護における20年以上の経験を活かして構築されています。
- 柔軟性: 仮想マシンとコンテナをローカルストレージ、Acronis Cloud、またはパブリッククラウドストレージにバックアップできます。
- ユニバーサル: このソリューションは、Proxmox VE へのワークロードのマイグレーションと、Proxmox VE から他のワークロードへのマイグレーションをサポートします。
実装上の注意:
- Proxmox VE サポートは、標準のLinuxエージェントと一緒にインストールされる特別なプラグイン/アドオンで提供されます。
- Proxmox VE クラスターノード間で仮想マシンをマイグレーションした後に自動的に保護するには、各ノードに Proxmox エージェント(Linux エージェント + プラグイン)をインストールする必要があります。
- このソリューションは、ほとんどの種類の仮想マシンとコンテナバックエンドストレージをサポートします。
- 仮想マシンのバックアップには制限がなく、すべての仮想マシンのバックエンドストレージがサポートされています。
- コンテナのバックアップの場合、コンテナのバックエンドストレージはスナップショットをサポートしている必要があります。
サポートされるシナリオ
- Proxmox VE 8.2+, 9.0+で実行されている Windows または Linux Proxmox VE 仮想マシンとコンテナのバックアップと復元
- ファイルレベルのセキュリティ
- Proxmox VE 仮想マシンへの復元および Proxmox VE 仮想マシンからの復元でクロスプラットフォーム復元をサポート
ライセンス
- サービスベース:
- 標準ライセンス: Proxmox VE 仮想マシンまたはコンテナごとに 仮想マシン のクォータが必要です。
- ソリューションベース:
- バックアップとDisaster Recovery
- 究極の保護
バックアップ: IONOS Cloudストレージへの直接バックアップ
IONOS Cloudへの直接バックアップを使用すると、追加のゲートウェイマシンを管理することなく、IONOS Cloud (S3) ストレージにバックアップを保管できます。
実装上の注意
- 「ユーザー所有」のバケットは、自動的には検出されないため、 S3 互換のバックアップロケーションタイプを作成してアクセスする必要があります。
- バックアップの検証は、過大なトラフィックコストを避けるために無効化されています。
サポートされるシナリオ
- ディスク/ボリューム(物理および仮想)、ファイル/フォルダーを含む Windows/Linux および/または VMデータを IONOS Cloud ストレージにバックアップおよび復元します。
- リモート管理用のクラウド管理サーバーに登録することにより、ブータブルメディアを介してベアメタルにリカバリできます。
ライセンス
- サービスベース:
- ギガバイト単位およびワークロード単位のモデル: IONOS Cloud にバックアップまたはレプリケートする各ワークロード用の Advanced Backup パック。
- ギガバイト単位のモデルのみ: パブリッククラウドストレージの料金は、ローカルストレージと同じ価格が請求されます。
- ソリューションベース:
- バックアップとDisaster Recovery
- 究極の保護
Eメールのアーカイブ: .PST からM365のメールアーカイブにEメールをインポート
パートナーの管理者は、カスタマーをアクロニスのM365用Eメールアーカイブにマイグレーションできるようになりました。アクロニスサポートまたはアクロニスのプロフェッショナルサービスに連絡する必要はもうありません。
長年にわたってローカルに保管されていたpstファイルを、Eメールアーカイブに直接インポートできるようになったことでデータの欠落がなくなります。
サポートされるシナリオ
- OneDriveに保存されている pstファイルをインポートすることで、任意のEメールアーカイブソリューションからマイグレーションできます。
- ローカルに保存されたpstファイルからEメールをOneDrive経由でインポートします。
ライセンス
- サービスベース:
- 既存のEメールアーカイブ提供項目の一部
- ギガバイト単位およびワークロード単位の2種類のモデルで利用可能
- Corp Cloud でサポート – クラウド配置も
- ソリューションベース:
Disaster Recovery: DRダッシュボードのコンピュートポイント使用状況ウィジェット
以前は、パートナーは、DRサービスのコンピュートポイントの使用状況に関する詳細データをエンドカスタマーの請求書に記載することができませんでした。
DRコンピュートポイント使用状況照合レポートでは、過去6か月(現在の月と前の5か月)のワークロードごとのコンピュートポイントの使用状況統計が表示されるようになりました。これにより、パートナーはカスタマーに対して、より透明性が高く正確なレポートを提供できるようになります。エンドカスタマーは、DRダッシュボードから同じレポートをダウンロードできます。
サポートされるシナリオ
- パートナーは、カスタマーとサーバーごとのDRコンピュートポイント使用状況照合レポートを共有できます。
- エンドカスタマーは、DRダッシュボードから同じレポートをダウンロードできます。
ライセンス
- サービスベース:
- ギガバイト単位およびワークロード単位モデル: 標準保護 + Disaster Recovery サービス。
- ソリューションベース:
- バックアップとDisaster Recovery
- 究極の保護
Disaster Recovery: Azureへのディザスタリカバリ - 迅速なコールドDRフェールオーバー
コールドストレージ(Acronisまたはパートナーがホストする)およびAzure StorageからAzureへのコールドDRフェールオーバーの速度は、読み取り操作の最適化と並列処理の増加により大幅に改善されました。コールドストレージを使用する場合に最も大きなパフォーマンス向上が見られます。
主な利点
- Azureへのテストと本番のフェールオーバーがはるかに高速になりました。
ライセンス
- サービスベース:
- ギガバイト単位およびワークロード単位モデル: 標準保護 + Disaster Recovery サービス。
- ソリューションベース:
- バックアップとDisaster Recovery
- 究極の保護
Disaster Recovery: Nutanix VM向けのDisaster Recoveryサポート
Nutanix VMのディザスタリカバリ保護に対応。
サポートされるシナリオ
- Nutanix VMのテストおよび本番フェールオーバー
- ブータブルメディア(エージェントベース)を使用したNutanixへの自動増分フェールバック
ライセンス
- サービスベース:
- ギガバイト単位およびワークロード単位モデル: 標準保護 + Disaster Recovery サービス。
- ソリューションベース:
- バックアップとDisaster Recovery
- 究極の保護
Detection and Response: 保護計画におけるカスタムユーザーのオーバーライド
これは、特定のシナリオにおける製品のサポート性を向上させる非商用機能です。
主な利点
- 保護計画の UI では可視性がない一部の設定を変更することで、問題を解決できます。
- 保護計画に新しいページを追加することで、パートナーは、パートナーレベルでの問題を軽減するのに役立つカスタム設定を入力できるようになります。
- パートナーが問題を軽減するために面倒な回避策を講じる必要はありません。
サポートされるシナリオ
- 実施に際しては、アクロニスサポートにご相談いただくことが必須となっております。パートナーは、保護計画の UI にカスタム設定を入力して、潜在的な問題に対処できます。
ライセンス
すべてのライセンス
RMM: リモートコマンドプロンプト、PowerShell、ターミナル
このリリースでは、コマンドラインツールをリモートで実行する機能が追加されました。
主な利点
- クロスプラットフォームのコマンドラインインターフェイス(CLI)アクセスを使用して、高品質でスケーラブルなマネージドサービスを提供します。
- また、CLIアクセスを使って、エンドユーザーの生産性を維持し、混乱を防ぎ、アラートをバックグラウンド で処理することでシームレスで中断のないサポート体験を提供します。
- Acronis EDR および XDR にネイティブに統合されたCLI アクセスにより、MSP が検出時点で即座に対応し、脅威の滞留時間を短縮し、サポートコストを削減し、SLA パフォーマンスを向上できるようになります。
- 監査ログを使用して、信頼性が高く、コンプライアンスに準拠した責任のあるサービスを大規模に提供します。
サポートされるシナリオ
- デバイスの一覧から、Windows デバイスでリモート コマンドプロンプト / PowerShellを、macOS デバイスでターミナルを実行します。
- CLI の出力をローカルデバイスのテキストファイルにエクスポートします。
- EDRインシデントまたは監視アラートの修復アクションとしてCLIを実行します。
- 監査ログで、リモートCLIセッションを開始または終了したユーザーとその日時を参照します。
ライセンス
- サービスベース:
- ギガバイト単位およびワークロード単位モデル: RMMサービス。
- ソリューションベース:
- セキュリティとRMM
- 究極の保護
RMM: ワークロードのシステムシリアルナンバーを表示
このリリース以降、保護されたワークロードのシリアルナンバーは、ワークロードの詳細画面のハードウェアインベントリタブに表示されます。
主な利点
- デバイスの一意の識別子を使用して、アセットの正確な追跡確認を可能にします。
- ハードウェア障害発生時に時間を節約し、デバイスが無料修理または交換の資格を満たしていることを確認します。
サポートされるシナリオ
- ハードウェアインベントリタブで特定のデバイスのシステムシリアルナンバーを参照します。
- デバイスグリッド内のすべての管理対象デバイスのシステムシリアルナンバーを参照します。
ライセンス
- サービスベース:
- ギガバイト単位およびワークロード単位モデル: 標準保護
- ソリューションベース:
- セキュリティとRMM
- 究極の保護
アップデート済みコンポーネント
Acronis サイバープロテクションエージェント
Acronis サイバープロテクションエージェントには、次の新しいバージョンがあります。
- Acronis サイバープロテクション Windows エージェント (v.25.8.40800)
- Acronis サイバープロテクション Mac エージェント (v.25.8.40800)
- Acronis サイバープロテクション Linux エージェント (v.25.8.40800)
Acronis サイバープロテクションエージェントのリリース履歴の詳細については、エージェントのリリースノートを参照してください。
Acronis Cyber Cloud APIの変更点
Acronis Cyber Cloud APIの詳細情報と変更履歴は、API変更ログ文書で確認できます。
修正済みの問題
セキュリティ
このリリースで修正されたセキュリティ上の問題については、https://security-advisory.acronis.com/updates/UPD-2508-8187-b82bを参照してください。
Acronis Cyber Protect Cloud
Active protection
- [AAP-6319] エージェントのインストール解除保護が、Active Protection サービスの誤動作を引き起こす可能性がある。
- [AAP-6326] 自己防御機能がactive_protectionプロセスのトラブルシューティングを妨げる。
共通
- [ABR-404033] バックアップは成功するが、保護計画タブのステータス列にそのステータスが正しくアップデートされない。
- [ABR-407776] 保護計画を編集しようとすると、保護計画が読み込まれ続ける。
- [ADP-43335] 緊急アップデート中に保護されているマシンが予期せず再起動することがある。
- [PLTFRM-80794] クラウドコンソールの管理サーバーセクションでクォータを増やそうとすると、「ライセンスが割り当てられているか、保留中のアクティビティがあるため、アップデートできません」というメッセージが表示されることがある。
サイバープロテクションエージェント
- [ABR-406260] プロテクション エージェントをバージョン 25.6.40492 または 25.7.40494 にアップデートすると、Managed Machine Service が応答しなくなる。
Microsoft 365保護
- [ABR-407338] SQL のバックアップが「エラー0x15d0016: 操作はサポートされていません」というエラーで失敗することがある。
- [ABR-407432] OneDriveのバックアップが「429: 処理中のリクエストが多すぎます。」というエラーで失敗することがある。
レプリケーション
- [ARC-966] バックアップのレプリケーションが「バックアップAPIの内部エラーにより操作が失敗しました」というエラーメッセージで失敗することがある。
URLフィルタ処理
- [KERNEL-17321] サイトのカテゴリが「拒否」に設定されているにもかかわらず、URL フィルタリングが検出された Web サイトへのアクセスをブロックしない。
仮想環境の保護
- [ABR-394891] 仮想アプライアンス上のエージェントのアップデート中にプロキシ設定が保持されず、エージェントのアップグレード後、保護された仮想アプライアンスはオフラインとして表示される。
既知の問題と制限事項
Acronis Cyber Protect Cloud
自動検出とリモートインストール
- [ADP-39185] Active Directoryベースの検出は、Windows Server 2025のデフォルト構成で期待どおりに動作しない。デフォルトでLDAP暗号化が強制されるため。
- 解決策: この KB 記事を参照してください。
バックアップ
-
[ABR-408680] Proxmox VE: LVMとXFSファイルシステムを含む2台以上のLinuxベースのProxmox VMで並行バックアップ操作を実行すると、バックアップアクティビティが応答しなくなることがある。
- 解決策: 対応する保護計画で同時VMバックアップの数を減らします ( [バックアップオプション] > [スケジューリング]に移動します)。
- [ABR-365442] バックアップの数が多いバックアップセットで、バックアップの検証が正常に完了するものの、検証ステータスが不正確になるか、欠落する。
- [ABR-361097] 名前に記号を含むバックアップを作成しネットワークストレージに保存すると、アクセスできなくなる。
- 解決策: アプリケーションで許可されていても、バックアップ名に記号を使用しないこと。
- [ABR-305920] Windows Serverバックアップ機能を使用して実行する、システム状態のバックアップが、「別のプロセスがファイルを使用しているため、プロセスはファイルにアクセスできません」というエラーメッセージで失敗する。
ブータブル メディア
- [ABR-358235] WinPE ベース(の)メディア: クラウド ストレージ ロケーションに、破損したバックアップアーカイブが含まれている場合、バックアップファイルを参照することができない。
サイバープロテクションエージェント
- [ABR-371912] Rocky LinuxまたはOracle Linux 8.7 ディストリビューションに、Acronis SnapAPI モジュールをインストール後、別途コンパイルが必要になる場合がある。
- 解決策: Rocky LinuxまたはOracle Linux 8.7ディストリビューションで動作するワークロードにLinuxエージェントをインストールした後、SnapAPI モジュールを手動でコンパイルする。
復元
- [ABR-371521] バックアップアーカイブを参照する際、最終変更日によるファイルの並べ替えが正しく機能しない。
仮想環境の保護
- [ABR-383978] エージェントレスMicrosoft Azure VMバックアップでストレージクォータに達しそうな場合に関するアラートが表示されない。
- [ABR-383972] エージェントレスMicrosoft Azure VMバックアップでストレージクォータが超過した場合に関するアラートが表示されない。
既知の問題や回避策については、ナレッジベースを参照してください。