バックアップ形式

このオプションは、バックアップ計画によって作成されるバックアップの形式を定義します。バックアップと復元を高速化する目的で設計された新しい形式(バージョン12)、または下位互換性や特別な場合を想定して保持されているレガシー形式(バージョン11)を選択できます。バックアップ計画を適用した後で、このオプションを変更することはできません。

このオプションは、メールボックスのバックアップの場合は選択できません。メールボックスのバックアップの形式は、必ずバージョン12形式です。

デフォルト設定:自動選択

次のいずれかを選択できます。

  • 自動選択

    以前の製品バージョンで作成されたバックアップ計画でバックアップを追加しない場合は、バージョン12の形式が使用されます。

  • バージョン12

    高速バックアップ・復元には、この新しい形式が推奨されます。各バックアップチェーン(完全バックアップまたは差分バックアップ、およびそれに依存するすべての増分バックアップ)は、単一の.tibxファイルに保存されます。

    この形式では、保持ルールとして [バックアップの合計サイズ別] を選択することはできません。

  • バージョン11

    以前の製品バージョンで作成されたバックアップにレガシー形式でバックアップを追加します。

    完全、増分、差分バックアップを別々のファイルで保存する場合は、この形式を使用します([常に増分(単一ファイル)]を除くすべてのバックアップスキーム)。

    この形式は、バックアップ先(またはレプリケーション先)が、重複除外が有効になっている管理対象ロケーションである場合に、自動的に選択されます。形式を [バージョン12] に変更すると、バックアップは失敗します。

    アーカイブ形式バージョン11を使用して、データベース可用性グループ(DAG)をバックアップすることはできません。DAGのバックアップをサポートしているのは、アーカイブ形式バージョン12のみです。

バックアップ形式とバックアップファイル

バックアップロケーションがファイルマネージャで参照できるロケーション(ローカルフォルダ、ネットワークフォルダなど)である場合は、バックアップ形式に応じてファイル数とその拡張子が決まります。ファイル名を定義するには、[バックアップファイル名] オプションを使用します。次の表に、コンピュータごとまたはメールボックスごとに作成できるファイルの一覧を示します。

  常に増分(単一ファイル) その他のバックアップスキーム

バックアップ形式が [バージョン11] である場合

1つの.tibファイルと1つの.xmlメタデータファイル

複数の.tibファイルと1つの.xmlメタデータファイル(従来の形式)

バックアップ形式が [バージョン12] である場合

バックアップチェーン(完全バックアップまたは差分バックアップ、およびそれに依存するすべての増分バックアップ)ごとに1つの.tibxファイル

バックアップ形式のバージョン12(.tibx)への変更

バックアップ形式をバージョン11(.tib形式)からバージョン12(.tibx形式)へ変更する場合:

  • 次回のバックアップは完全バックアップになります。
  • ファイルマネージャで参照できるバックアップロケーション(ローカルフォルダ、ネットワークフォルダなど)において、新しい.tibxファイルが作成されます。新しいファイルは元のファイルと同じ名前になり、_v12Aサフィックスが追加されます。
  • 保持ルールとレプリケーションは新しいバックアップにのみ適用されます。
  • 古いバックアップは削除されず、[バックアップストレージ] タブから引き続き使用可能です。これらは、手動で削除できます。
  • 古いクラウドバックアップはクラウドストレージのクォータを消費しません。
  • 手動で削除するまで、古いローカルバックアップはローカルバックアップのクォータを消費します。

アーカイブ内の重複除外

バージョン12のバックアップ形式では、アーカイブ内の重複除外がサポートされています。以下のようなメリットがあります。

  • 組み込みのブロックレベル重複除外をどのようなタイプのデータにも使用することで、バックアップサイズが数十分の1に減少
  • 重複ストレージが発生しない、ハードリンクの効率的な処理
  • ハッシュベースのチャンク実行

アーカイブ内での重複除外が、.tibx形式のすべてのバックアップを対象にデフォルトで有効になります。バックアップオプションで有効にする必要はありません。また、無効にすることもできません。