バックアップデータを取得するための「tibxread」ツール

Cyber Protectionには、バックアップディスクが変更されていないことを手動で確認するために、tibxreadというツールが用意されています。このツールを使用すると、バックアップからデータを抽出し、指定のディスクのハッシュを計算できます。このツールは、以下のコンポーネントと一緒に自動的にインストールされます。つまり、Windowsエージェント、Linuxエージェント、Macエージェントです。

インストールパスは、エージェントと同じフォルダです(C:\Program Files\BackupClient\BackupAndRecoveryなど)。

サポートされているロケーションは、以下のとおりです。

  • ローカルディスク
  • 資格情報なしでアクセスできるネットワークフォルダ(CIFS/SMB)です。

    パスワード保護のネットワークフォルダの場合は、OSツールを使用してローカルフォルダにネットワークフォルダをマウントしてから、そのローカルフォルダをこのツールのソースとして指定できます。

  • クラウドストレージ

    URLとポートと証明書を指定する必要があります。URLとポートは、Windowsの場合はレジストリキーから、Linux/Macマシンの場合は構成ファイルから取得できます。

    Windowsの場合:

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Acronis\BackupAndRecovery\Settings\OnlineBackup\FesAddressCache\Default\<tenant_login>\FesUri

    Linuxの場合:

    /etc/Acronis/BackupAndRecovery.config

    macOSの場合:

    /Library/Application Support/Acronis/Registry/BackupAndRecovery.config

    証明書は以下のロケーションにあります。

    Windowsの場合:

    %allusersprofile%\Acronis\BackupAndRecovery\OnlineBackup\Default

    Linuxの場合:

    /var/lib/Acronis/BackupAndRecovery/OnlineBackup/Default

    macOSの場合:

    /Library/Application Support/Acronis/BackupAndRecovery/OnlineBackup/Default

このツールには以下のコマンドがあります。

  • list backups
  • list content
  • get content
  • calculate hash

list backups

バックアップの復元ポイントを表示します。

概要:

tibxread list backups --loc=URI --arc=BACKUP_NAME --raw

オプション

--loc=URI
--arc=BACKUP_NAME
--raw
--utc
--log=PATH
出力テンプレート:
GUID   Date   Date timestamp
---- ------ --------------
<guid> <date> <timestamp>

<guid> - バックアップのGUID。

<date> - バックアップの作成日。形式は「DD.MM.YYYY HH24:MM:SS」です。デフォルトではローカルタイムゾーンになります(--utcオプションを使用して変更することも可能です)。

出力例:

GUID   Date   Date timestamp
---- ------ --------------
516FCE73-5E5A-49EF-B673-A9EACB4093B8 18.12.2019 16:01:05 1576684865
516FCE73-5E5A-49EF-B673-A9EACB4093B9 18.12.2019 16:02:05 1576684925

list content

復元ポイントの内容を表示します。

概要:

tibxread list content --loc=URI --arc=BACKUP_NAME --password --backup=RECOVERY_POINT_ID --raw --log=PATH

オプション

--loc=URI
--arc=BACKUP_NAME
--password
--backup=RECOVERY_POINT_ID
--raw
--log=PATH

出力テンプレート:

Disk     Size   Notarization status
-------- ------ ---------------------
<number> <size> <notarization_status>

<number> - ディスクのID。

<size> - サイズ(バイト単位)。

<notarization_status> - 以下のステータスがあります。つまり、公証なし、公証済、次回のバックアップです。

出力例:

Disk     Size   Notary status
-------- ------ --------------
1 123123465798 Notarized
2 123123465798 Notarized

get content

復元ポイントの指定のディスクの内容を標準出力(stdout)に書き出します。

概要:

tibxread get content --loc=URI --arc=BACKUP_NAME --password --backup=RECOVERY_POINT_ID --disk=DISK_NUMBER --raw --log=PATH --progress

オプション

--loc=URI
--arc=BACKUP_NAME
--password
--backup=RECOVERY_POINT_ID
--disk=DISK_NUMBER
--raw
--log=PATH
--progress

calculate hash

SHA-256アルゴリズムを使用して復元ポイントの指定のディスクのハッシュを計算し、標準出力に書き出します。

概要:

tibxread calculate hash --loc=URI --arc=BACKUP_NAME --password --backup=RECOVERY_POINT_ID --disk=DISK_NUMBER --raw --log=PATH --progress

オプション

--loc=URI
--arc=BACKUP_NAME
--password
--backup=RECOVERY_POINT_ID
--disk=DISK_NUMBER
--raw
--log=PATH

オプションの説明

オプション 説明
--arc=BACKUP_NAME ウェブコンソールのバックアッププロパティから取得できるバックアップファイル名です。バックアップファイルは、拡張子.tibxを付けた形で指定する必要があります。
--backup=RECOVERY_POINT_ID 復元ポイントのID
--disk=DISK_NUMBER ディスク番号(「get content」コマンドで出力される番号と同じ)
--loc=URI

バックアップロケーションのURI。「--loc」オプションの有効な形式は、以下のとおりです。

  • ローカルパス名(Windows)

    c:/upload/backups

  • ローカルパス名(Linux)

    /var/tmp

  • SMB/CIFS

    \\server\folder

  • クラウドストレージ

    --loc=<IPアドレス>:443 --cert=<証明書パス> [--storage_path=/1]

    <IPアドレス> - Windowsでは、以下のレジストリキーにあります。HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Acronis\BackupAndRecovery\Settings\OnlineBackup\FesAddressCache\Default\<tenant_login>\FesUri

    <証明書パス> - Cyber Cloudにアクセスするための証明書ファイルのパス。たとえばWindowsでは、この証明書はC:\ProgramData\Acronis\BackupAndRecovery\OnlineBackup\Default\<ユーザー名>.crtにあります。<ユーザー名> はCyber Cloudにアクセスするアカウント名です。

--log=PATH 指定のPATH(ローカルパスのみ)へのログの書き込みを有効にします。形式は、--loc=URIパラメータと同じです。ログのレベルはDEBUGです。
--password=PASSWORD バックアップの暗号化パスワードです。バックアップを暗号化しない場合は、値を空のままにしてください。
--raw

コマンド出力のヘッダー(最初の2行)を非表示にします。コマンド出力を解析するときに使用します。

--raw」なしの出力例:

GUID   Date   Date timestamp
---- ------ --------------
516FCE73-5E5A-49EF-B673-A9EACB4093B8 18.12.2019 16:01:05 1576684865
516FCE73-5E5A-49EF-B673-A9EACB4093B9 18.12.2019 16:02:05 1576684925

--raw」付きの出力:

516FCE73-5E5A-49EF-B673-A9EACB4093B8 18.12.2019 16:01:05 1576684865
516FCE73-5E5A-49EF-B673-A9EACB4093B9 18.12.2019 16:02:05 1576684925
--utc 日付をUTCで表示します。
--progress

操作の進行状況を表示します。

例:

1%
2%
3%
4%
...
100%